【実話】冷蔵庫なし母娘の昭和レトロ生活と「赤ちょうちん」フォークソング・かぐや姫が沁みる日々

歌ってみた語ってみた

赤ちょうちん / かぐや姫(昭和歌謡曲)

我が家から冷蔵庫というものが無くなり、1年と1ヶ月が経過した。

「冷蔵庫が無い⁉️」
必ず言われるこの台詞。私は娘と2人暮らしだが、彼女からもよく怒られる。

「買ってよ!家に冷蔵庫が無いなんて異常だよ」
娘は年ごろ。もうバリバリ働いて、母さんより稼いでいる。アンタ…自分で買わないんかいっ!

こんな母娘を心配して、友人知人の有志による
『あの家に冷蔵庫を買おうクラウドファンディング』
などの話もあったけど、ワガママ娘を増長させるので、皆には感謝のみを伝えたい。

「おばあちゃん(娘には曾祖母)の頃には、水道の無い物件もあったと聞くよ!」
そう話すと、火に油を注ぐだけである。

冷蔵庫の無い我が家。娘に『赤ちょうちん』を聴かせてやりたい。

♪ 月に一度の 贅沢だけど〜 お酒もちょっぴり飲んだわね〜♬

「母さんはね、お酒も飲まずアンタを育てて… 父さんの役も、母さんの役も、1人で頑張ったんだよ」と泣く。私はとんでもない下戸である。

シングルマザー、それは間違い無い。しかし何故か娘からは
「やめてよ演技!」
と一蹴される。涙ながらに歌うフォークソングの切なさが伝わらない。

♪ 仕事もせずに〜 キャベツばかりをかじってた〜♬

私は現在、はからずも無職となってしまった。そのため、この『歌の考察』とYouTube『歌ってみた』ばかりに時間を費やしている。

食材を買いに行くのも億劫になり、あればキャベツ。旬のトウモロコシを筆頭に、ガリガリ齧りながら制作を続けている。

金も無ければ、気力もない。ゴミも少なく、料理も不要!キャベツとは、なんと合理的かつ経済的な食材なんだろう。

「もうさ。10,000円あげるから、旅行でも行って帰って来ないでよ!」
娘からそう言われてしまった。この投稿は今、東海道本線の車中で書いている。

… 間違いない。

♪ 背中丸めて サンダル履いて〜 独りで居るよな気がしますぅぅぅ♬

30〜40年後の、私だろう。
『横顔を見つめてた』娘の眼の、なんと冷たいことか!

♪ 生きてることはぁ〜 ただそれだけでぇ〜悲しいことだと知りましたぁぁ〜♬

膝を抱えて泣く日は、いつの事やら。

【あとがき】家電・三種の神器の普及

太平洋戦争が終わり、1950年代後半から家電が普及されるようになってきた。

『三種の神器』
白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の3つである。

「もはや戦後ではない」と、日本はどんどん成長してゆく。
経済が発展する=暮らしが豊かになる。

最も早く普及したのは白黒テレビ。人々の心には、やはり娯楽が欠かせないのだろう。
逆に一番遅かったのは冷蔵庫である。

1年以上も冷蔵庫の無い暮らしをしてみた私からすると、無いほうが良いこともある。
食材を買い過ぎることもなければ、食べ過ぎることもない。
後でやろう、という甘えもなくなるので、新鮮な食材をすぐ調理する。

自宅からスーパーに行って帰って、歩く習慣がつき小まめに動くようになる。

冷蔵庫のない暮らし。
よほどの猛暑でない限り、夜に買った納豆は朝でも食べられる。
私という生き方に合っている。

娘という生き方には疑問も残るが…
便利で不幸より、不便で幸せになって欲しい。

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