【大阪・西成あいりん地区】社会問題と暴動の町を歩く ─ 恐怖と先入観を超えて

大阪を知る

プロフィール

歴史と旅をこよなく愛する、東京の現役タクシードライバー「Ricca」です。
日々は都内の街を走りながら、休日には各地の歴史を追いかけて旅をしています。
今回は大阪・西成区を舞台に、実際に自分の足で歩き感じたことをお届けします。

場所・アクセス

大阪市西成区「あいりん地区(通称:釜ヶ崎)」は、JR新今宮駅や大阪メトロ動物園前駅のすぐそばに位置しています。
新大阪駅からは地下鉄やJRを乗り継ぎ、約30分ほどで到着します。
交通の便は非常に良く、観光客でもアクセスしやすいエリアです。

見どころ

西成・釜ヶ崎は日本最大の「日雇い労働者の街」として知られ、通称「あいりん地区」と呼ばれてきました。
昭和から平成にかけて暴動や社会問題の舞台ともなり、メディアでは「危険な場所」として語られてきました。
しかし実際に歩いてみると、恐怖心や先入観とは異なる現実に気づかされます。町を歩くと東京とは違う空気感が漂い、臭いや雰囲気にも独自の特色があります。
現在は格安宿を求める外国人観光客も多く訪れ、地域の姿は時代とともに変わりつつあります。

Riccaコラム:恐怖と先入観を抱えて、西成初上陸

東京から高速バスに揺られることおよそ10時間、私は天王寺駅のびっくりドンキー前に降り立った。
時間はまだ8時を少し回ったところで、これから大阪の友人と合流して大阪を見て周る予定となっている。

宿泊先となる萩之茶屋のビジネスホテルはここから歩いて20分ほど、チェックインは15時から。
いつもなら宿泊予定のホテルに寄って荷物を預けてゆくところだが、今回はわざわざキャリーケースを持ち歩くことにした。

なぜなら、この町で荷物を預けたら返ってこない気がして不安となったのだ。
例えば、コインロッカーに預けても破壊されこじ開けられ、やはり荷物が失くなってしまうのではないか?

関西の友人らが口を揃えて否定し脅すものだから、西成には海外のスラム街を丸裸で歩くかのごとく警戒をしていた。
大阪には何度も足を運んでいたはずなのに、、、

先入観で凝り固まっていた私の中の西成イメージは『ホームレス』『暴動』『覚醒剤』『貧困』しか無い。
あいりん地区、通称:釜ヶ崎。ここが日本最大のスラム街。まだ見ぬ西成のお隣、天王寺を歩く時すら怖くなった。

さて、夕方となり、私は鶴橋からJR大阪環状線に乗り新今宮駅へと着いた。これが初めての西成区入りである。
心なしか、町の臭いに違和感を感じて顔をしかめる。想像ではもっともっとアンモニア臭気の強い町かと思っていたが、浮浪者の脇を通っても東京の人達のような強い臭いはしない。

変な感じもするが、東京のホームレスより清潔な人々が多いようだ。
新今宮駅から、現在は閉鎖中となっている日雇い労働者支援の複合施設(あいりん総合センター)の脇を通り、真っ直ぐホテルへと向かう。

1泊¥2,000-ほどの『ビジネスホテル加賀』が、本日の宿泊地だった。
受付に顔を見せると、「パスポートを提示してください」と英語で話しかけられた。
「日本人ですよ」と笑うと、受付の男性も照れ臭そうに笑い、言葉を返してきた。

「すみませんね、外国人が多いもので…」

今や、西成はインバウンド観光の話題の地。
私達も東南アジアへ行けば、「こんなにホテル代安いの⁉️」 「食事、安くて美味しい〜❤️」なんて思ったのではないだろうか。

日本人のほとんどが忘れてしまっているようだが、広義で言えば、日本だってアジアなのだ。
海外からの観光客にとって、「ニッポン、トウキョウ、エクスペンシブ!」そんな街など珍しくもない。

異なる町の様相こそ旅の醍醐味だろうし、西成のような日本の懐旧を味わいに来たい気持ちは分かる気がする。
「ニッポン、オオサカ、アメージング!」
いや、、でも東京ももちろんお勧めには違いないが。(都内タクドラ談)

ホテルの受付でチェックインを済ませ、鍵を受け取った。
ほほほほほ、ホテルの部屋の鍵⁉️🔑✨ と驚くような鍵をもらって、自分に割り当てられた部屋へと入った。

畳2畳に、布団と机と、手前に冷蔵庫。何と表すのが的確か… 雑居房?
罪人となる前の、未決拘禁者(被告人)の単独室だったんだろう、そんな普通の単身アパートとも違う、異種な部屋だった。

高速バスでの浅い眠りと歩き疲れた身体は、西成の雑居房ですらホッとして、荷物整理もそこそこ、畳に寝転んだ。

続く。→

アドバイス

西成は「怖い場所」と語られることが多いですが、実際には観光客や外国人バックパッカーが増えており、昔のイメージと大きく変わっています。
ただし、夜間の一人歩きや不用意な写真撮影は控えた方が無難です。
地域の文化を尊重し、身近な町歩きの延長として楽しむのがおすすめです。

読者コメント

「西成の体験談、とても興味深かったです!」
「先入観を超えた視点が面白い。次回も楽しみにしています。」

まとめ

先入観とは違った西成の姿を体感できました。
歴史や社会問題と共に、街の新しい一面を見ることができるのが旅の魅力です。
次回は夜の町を歩いてみます。→旅③はこちら

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